真夏に肛門がブチギレている

すぐきれるやつというのはどうにも扱いづらい。

 

ガムテープで遊んでいたらもったいないと言いながら暴力的なまでにきれてくるやつ。

昼食の配膳中に居酒屋ごっこをしていたらうまく聞き取ってもらえずちゃんと言えときれてくるやつ。

面談用に用意してあった机で陰毛の早抜き大会をしていたら掃除しろときれてくるやつ。

 

今まで理不尽なまでに目の敵にされてきた僕だけれど、今日も今日とてすぐきれるやつに遭遇してしまった。

 

試験開始まであと五分......。

 

僕はとても急いでいた。

 

気持ちとしては今すぐにでも試験会場にいきたい。期末試験、半年に一回の大事な試験なのだ。汗水たらして勉強した努力を、ついに発揮するときがきたと言えよう。

 

しかし、問題が一つ。僕には今すぐ試験会場にいけない理由があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、うんこが止まらないのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかもうモリモリ出る。止まったかなって思っても一拍おいてまたグリングリン出る。勢いで言うとところてんのあの筒のやつにも負けていない。

 

まさか肛門にうんこを携えながら教室に向かうわけにもいかないので、できるだけふんばって、さっさと出すものを出してしまおうと尽力した。

 

やっとの思いで出し切ってお尻を拭こうとすると、トイレットペーパーの上に乗っかっているフタみたいなやつがまあかたい。

 

トイレットペーパーのあの点線状に入ってる切れ目ですぐきれる。いちいちきれる。

 

いやこんなんお尻拭けへんやん!!

 

とかツッコみつつもなんとか塊を作ってお尻を拭くと、トイレットペーパーは真っ赤に染まっていた。

 

いやお前もすぐきれるやん!!

 

試験前はぴりぴりしてみんなきれがち。そんな教訓を得た炎天下の昼下がりだった。