泥水うんちは犯罪ですか?

先日までの豪雨が嘘のように天気がいい。空高く突き上がる入道雲に夏の気配を感じながら、ジリジリと身を焦がす太陽を背に足取りは重い。暑さもそうだけれど、最近どうにも悩みが尽きないのだ。こんな時こそ雨でも降ってくれれば雰囲気が出るというのに、一体梅雨前線はどこで休んでいるのか、まったく空気を読んでくれないらしい。ちぐはぐな情景描写を抱えながら、今日は一つ僕の悩んでいることを話そう。

 

さて、先月の地震はまだ記憶に新しい。そのときトイレが使えなくなったらうんちをどうしようという問題が突如浮上したわけだが、これは度肝を抜かれた。断水の恐怖におののいていたら今度はこれでもかとばかりに大雨が降るではないか。

 

確かに僕はこれまでにないほどに水の存在を願った。しかしながら加減を知らないお天道様に歪曲して伝わってしまった僕の願いは、「そうじゃない」と言わざるを得ないほどの被害を下界にもたらしている。

 

思わぬ形で恵みの水を享受した川は荒れ狂い、このままうんちをしてもばれないのではないかと思うほどの色に変わり果てた。むしろうんちそのものが流れているのではないかと疑うほどの濁流は、忌まわしきカップルが等間隔に並ぶ河川敷を思い出もろとも飲み込み、今なおその爪痕を残している。

 

ところで、街が浸水して身動きがとれなくなってしまったとき、街を覆う泥水にうんちをするのは犯罪なのだろうか。

 

というのも、今回の浸水被害で断水を余儀なくされている地域もあるとのことで、まさか水がたっぷりあるのにトイレが使えなくなることがあるとはと戦々恐々としている今日この頃である。

 

いわゆる屋外排泄というものは、予想できない渋滞の発生や山中などやむを得ない場合を除いては軽犯罪法で取り締まられているらしいが、問題は本件がやむを得ない場合に該当するのかどうかという点だ。

 

規制の例外となる上記の二例は、まさにトイレがない切羽詰まった状態なのである。対して浸水で孤立した場合であっても、すぐそばにトイレはある。そう、ただ流せないだけなのだ。

 

屋内の衛生環境を鑑みれば許されて然るべき行為のような気もするが、場合によっては刑法にさえ抵触するこの行為、迂闊に外でうんちをするわけにはいくまい。

 

毎月のようにうんちのことで頭を抱えることになるとは、人生はそう簡単にはいかないものだ。

 

今日の夕飯はカレーにでもしようか......。