うんち販売業における減損会計の適用について
うだるような暑さが続き、いよいよ夏の到来を感じさせる季節がやってきた。この時期はついつい冷たいものばかり食べてしまいがちだが、食生活に気をつけないとすぐにおなかを壊してしまう。アイスやかき氷ばかり食べて生きていければいいのだが、どうも人間の体はそううまいこといかないらしい。
ところで、立派なうんちは立派な食事から作られる。
ここで、うんちの販売を主たる営業とする会社(仮にこれを株式会社うんぽこザムライ山田としよう)について考える。
株式会社うんぽこザムライ山田は、100万ぽこちん(1ぽこちん=約69円である)で最新のうんち製造マシーンうんこぶりぶり太郎を購入し、資産計上した。
うんこぶりぶり太郎は、500ぽこちんの食事を与えると、平均して1000ぽこちんで売れる立派なうんちをしてくれ、1万回程度使用可能と見込まれる。
つまり、1うんちあたり500ぽこちんの儲けがあり、1万回使えば500万ぽこちん、時間の経過による価値を無視すると、うんこぶりぶり太郎の取得原価100万ぽこちんをひいて400万ぽこちんの儲けが見込まれるわけだ。
なんともおいしいドリームうんちである。
しかし、ここで問題が発生した。うんこぶりぶり太郎はアイスが大好物なのだ。株式会社うんぽこザムライ山田の経営者は、うんこぶりぶり太郎をかわいがるあまり毎日アイスばかり与え続けてしまった。結果どうなったかなど想像にたやすい。
下痢である。
無論、下痢はあまり高く売れない。
立派なうんちを1000ぽこちんとすればだいたい80ぽこちんぐらいである。こうなってくるとどんなに立派な食事を与えようが生まれるうんちは80ぽこちんなので、一番安い50ぽこちんの食事を使う。
それでも儲けは30ぽこちんで、1万回使っても30万ぽこちん。うんこぶりぶり太郎の取得原価100万ぽこちんを回収できない。これは明らかに収益性の低下を表す。
ここで議論にあがるのが、資産計上されているうんこぶりぶり太郎の額が100万ぽこちんのままでいいかどうかである。
うんこぶりぶり太郎の購入は、うんちの販売による収益を見込んでのものであり、この資産計上額100万ぽこちんは、営業を継続させるために最低限回収しなければならないちん額を表す。
そこで、もはや取得原価の回収が見込めなくなった時点で、その回収可能性を反映するため、回収可能な額まで簿価を切り下げるべきではないかという考えが存在する。これを減損会計というらしい。
実際には将来キャッシュフロー(本来は時間の経過を加味する)と正味売却価額を比べるらしいが、うんこぶりぶり太郎なんていうくそ汚いものが他に売れるわけがないので、今回であれば将来キャッシュフローである30万ぽこちんまでうんこぶりぶり太郎の簿価を切り下げる必要があるというわけだ。
一気に70万ぽこちんの損失である。日本円にして約5000万円、いやはや、まったく下痢というのは恐ろしい。