プロ大学生と不意打ち脱糞ボーイ
普通より少し高めの声で「ひさしぶり〜!!」などと抱き合う女子大生が至るところに出現する季節になった。やたら声のでかいいかにもオタクみたいな風貌の男どもの次に僕が嫌いな人種だ。
だいたいなんでそんな嬉しそうなんだ?本当に仲が良い相手なら夏休みに会おうと思えばいくらでも会えただろうに。そうでもない相手とひさしぶりに会ったからって、そこまで喜ぶことなんてないだろう。
まあ、答えはわかっている。それが良好な人間関係を築くための最善の手段なんだろう。それを胡散臭く思えてしまう僕はいわゆる、ぼっちに、なるべくしてなったと言える。そんなことを考えていたら鬱屈した気分がピークに達した。紫とも黒ともわからないどんよりとしたオーラを、この新学期の教室という華々しくあるべき空間で発してしまっていないか不安でたまらない。
だいたい留年生という肩書きがよくない。もっとこう、かっこいい言い方はないものだろうか。
「留年生 英語」
二つの単語を並べてググってみる。
「professional student」
プロの......学生??
いや、まさかね。翻訳サイトお得意の誤変換というやつだろう。ただ、プロの学生、その響きは悪くはない。今度は「professional student」の意味を調べてみる。
professional student
- Someone who takes college classes to avoid having to assume adult responsibilities after graduating from high school.
ええっと、高校卒業後、大人の責任から逃れるために大学の授業をとる人?
ふざけるな。
留年生はいつだって全力だ。全力で朝の睡魔と戦い、全力で授業中の睡魔と戦い、全力で課題中の睡魔と戦っている。たとえば、うんちをもらそうと思ってもらす奴があるか。
僕の友人によくうんちをもらす人がいる。彼はいつだって全力で便意と戦っている。惜しくも敗れてお尻からうんちが顔を出すときは常に不意打ちなのだ。
大人の責任?そんな理由で大学にくるなんて、それがプロの学生だなんて、全力の留年生をバカにしているにもほどがある。まったく、こんなことなら僕の肩書きは当分留年生でいい。というか実際僕は留年生だ。
いつか必ず、なんかいい感じのかっこいい肩書きを手にするときまで留年生でいよう。そう決意したある秋の夜の話。